地域のタネ

田舎で自治会(町内会)には入ったほうがいいか?

自治会には入った方がいいか?

タネヨメ

田舎に移住した人の中には、自治会に入った方が良いか悩んでいる人がたくさんいるだろうな。

田舎では自治会活動が活発です。

自治会活動はみんなと助け合える反面、その負担も大きいため、入るべきかどうか悩んでいる方がたくさんいらっしゃると思います。

結論から言うと、自治会に入るべきかどうかの判断基準は、その地域の『地域性』によると考えています。

タネ

僕も自治会に入るかどうかすごく悩んだよ。

そして入ってからも相当悩んだ。

今でも悩むことがある。

移住歴15年のうち借家9年、持ち家になってから6年の僕が、実体験として悩み続けた結果をもとに、自治会に入るべきかどうかを考えるときのポイントを解説するよ

これから移住を考えている人は、まだ間に合うのでぜひこの記事を読んでください!

この記事でわかること

・「自治会」ではどんなことが行われているか

・「自治会」に入るメリット・デメリット

・「自治会」入りするときに考えるべきポイント

自治会の役割

自治会でどんなことが行われているかを以下紹介します。

1.行政からの回覧(お知らせ)、市町村報の配布

集落近くの市町村道の工事・市町村水道・電気など生活インフラについてのお知らせ、近隣の大規模開発や説明会開催日程のお知らせなどの情報共有を行います。

2.行政への意見のとりまとめ

地域での困りごと、生活道路や河川の危険箇所の報告、農地や水路に関する問題、まちづくりの要望等をとりまとめて、行政へ報告することがあります。

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3.集会所の維持管理

自治会で管理している集会所がある場合は、自治会で集会所の清掃や草刈りなどの日常的なメンテナンスのほか、光熱費の負担などをおこなっています。

建物そのものの修繕等については市町村の補助金を利用して行うことが多いようです。

4.ゴミ集積所の管理

農村部ではゴミ捨て場は各自治会の共有地や自治会員の私有地を使用していることが多く、またうわ物のゴミ集積所そのものも自治会で設置・管理していることが多いです。

最近では各地で自治会に入らなければゴミ集積所が利用できないかどうかをめぐり、裁判になっているケースもあるようです。

5.行政が関係する団体の寄付や役員選出

自治会では行政が関係する寄付の徴収や、構成員から役員選出を行うことがあります。

行政が関係する団体の寄付や役員選出の例

・各学校区を中心に構成されている青少年健全育成協議会

・日本赤十字社

・市町村の体育協会

・緑や赤い羽根募金

・各都道府県にある交通安全協会

・市町村ごとに福祉サービスを提供する社会福祉協議会

・地域の消防活動を行う消防団 ……etc

タネ

都会に住んでいるときには全く意識していなかったけど、田舎で暮らすと特に教育・福祉・消防などのサービスが地域の寄付で行われていることが多いことがわかるよ。

6.道路愛護デー

自治会の行政区内の市町村道の草切り清掃を、「道路愛護デー」などという名称で年に1回行っている地域があります。

7.防犯灯(街灯)の管理

夜暗い地域などでは市町村が管理する街灯以外に、自治会で防犯灯を設置、管理しているところがあります。

防犯灯代は構成員が直接負担したり、自治会費等から支出することが多いようです。

タネヨメ

都会では街灯はあってあたりまえだったけど、人口の少ない田舎では自治会で設置・管理しているところが多いんだね!

8.神社(お宮)の管理

自治会区の人たちが氏子となっている神社の管理を、自治会単位で行っている地域があります。

神社(お宮)の管理例

・お宮の境内の定期的な清掃・草刈り

・春と秋のお祭り(お神輿や楽うち)

・しめ飾りづくり

・お宮の建物の不具合があれば修繕(場合によっては各戸から寄付)……etc

タネ

特に田舎の神社は集落の人みんなが氏子となっていることが多いよ。

自治会費からの強制的な神社関係費の徴収については、信教の自由に反するとして違法判決が出たことがあるみたいだね。

本来は自治会とは別の氏子集団として徴収するのだろうけど、現実はそうではなく自治会で徴収しているところが多いと思うな。

9.共有地の管理

自治会の構成員が共同で共有地をもっている場合、自治会で共有地の道の草刈りや補修などの維持管理作業などが行われているところがあります。

10.その他自治会区の活動

その自治会区と深いかかわりがある組合の庶務を自治会内で行っているところがあります。

その他自治会区の活動例

・納税貯蓄組合(市町村税などの税金の納付を組合単位で行うもの、但し近年は個人情報の観点から解散していることが多い)

・簡易水道組合(集落で引いている簡易水道)

・共有地組合……etc

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タネヨメ

改めて書いてみると、自治会にはこんなにたくさんの役割と仕事があるのね。

自治会に入るメリット・デメリット

メリット

集落の人たちと知り合いコミュニケーションがとれるようになる

田舎で生活していても、皆それぞれの仕事がある以上、普段から全員と顔を合わせることはありません。

自分が住んでいる地域の人たちと知り合いになり、コミュニケーションをとるきっかけになることが、一番のメリットです。

タネヨメ

自治会で知り合いになった人から、おいしい野菜や原木栽培のシイタケをよくいただいているよ!自分で作れないものがたくさんあるから、とっても嬉しいわ!

生活インフラの整備を共同で行える

特に田舎では、水道をはじめとするさまざまな生活インフラを、自治会構成員が共同で整備しています。

災害が発生した時などは、行政が動いてくれるまでの間に時間がかかってしまうので、応急的な処置を自治会構成員で行うことがあります。

また自分の家の敷地内でも急に水道管が破裂したり、豪雨で家が水につかったりと、自分一人でどうしようもない生活トラブルが発生することもしばしばあります。

そんな時自治会で近所隣の人たちと顔見知りになっていればみんなと助け合えます。

要するに自治会構成員の協力の下、さまざまな生活インフラの整備を共同で行うことができるのがメリットです。

タネ

僕の住んでる地域では、平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨などの大規模災害が相次いで発生して、避難を余儀なくされたほか、生活道路が土砂崩れで寸断されたり、水路が壊れたり、水道が止まったりとあちこちで被害が出たよ。

その時に自治会や自治会が支える地域団体が助け合い、復旧作業にあたることで、迅速に災害復旧に向かうことができたんだ。

普段から自分も構成員として負担を引き受け助け合いを行うからこそ、「お互い様」の思想が生まれるんじゃないかな。

デメリット

出ごとや出費の負担が増える

自治会に加入したら、毎月自治会費を納めたり、自治会のさまざまな活動に出る必要があります。

自治会によっては、草切りや清掃などの自治会活動に出ることができなかった場合、科料(出不足金)を納めなければならない地域などもあります。

役員になると大変

自治会の世話人である区長さんや関連する組合の役員は構成員の持ち回りで務めます。

役員になると自治会活動の世話をする必要があるため、負担がとても増えます。

タネヨメ

自治会活動を負担に思って、自治会に加入しない人も増えているみたい。

その気持ちもわからなくもないわね。

旦那はしょっちゅう自治会や自治会が関係する団体の出ごとに駆り出されるので、都会のサラリーマンと比べたら圧倒的に休みは少ない

また日曜日に自治会活動が行われることが多いけど、旦那は土日関係のない仕事だから都合がつかなくて苦労してる

自治会に入ると大変な部分もたくさんあるのは事実だわ。

「自治会」入りするときに考えるべきポイント

地域性

「自治会」入りするときのポイントは、すなわち空き家を探すときのポイントでもあります。

「どこに住むか」という「地域性」が大切なポイントです。

過去に移住者を受け入れたことがある地域か、実際に移住している人たちがどう思っているか、事前に話を聞いてリサーチしてみましょう。

過去に移住者を受け入れたことのない自治会では、代々続く家のみで構成されており、一般的に閉鎖的で昔からの慣習が強い地域である可能性があります。

逆に移住者が増えている地域では、自治会のつながりがほどよく、開放的である可能性があります。

また商業者が多い地域では、構成員同士の足の引っ張り合いなどが行われる場合もあります。

タネ

これから田舎へ移住を検討している人は、最初に「どんな家に住むか」を考えるけど、住んで実感したのはそれと同じくらい「どんな地域に住むか」が大切だということだよ。

特に人間関係が密接で濃い田舎では、自治会の人間関係のストレスなく過ごせる地域かどうかは重要なポイントだと思うな。

信頼できる人がいるか・できるか

これも前述した「地域性」につながる話で、非常に難しく、自治会に入ってみないとわからないことでもあります。

でも実体験からあえて記述させてもらいます。

自治会内に「信頼できる人がいるか・できるか」が大切なポイントです。

田舎暮らしは人との距離がとても近いです。

そして自然の中で暮らしは、災害など1人ではどうしようもない事態が生じてしまいます。

その中で誰かがあなたのことを信頼し、かつあなたが信頼できる人間関係を構築できるかどうかは、あなたの田舎暮らしに大きな影響を与えます。

幸い田舎は信頼情報が口コミで積み重なる地域でもあります。

住みたい地域があったら、すぐに家を買わずにまずは空き家を借りて、ゆっくり時間をかけて情報収集をすることをオススメします。

これからあなたが一生住む家を決めるのですから、少しくらい時間をかけても、人間関係が心地よく、楽しく暮らせる地域で生きていきたいと思いませんか?

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まとめ

田舎では生活インフラや教育・福祉・消防サービスなどは自治会や自治会が支える団体によって賄われていることが多いです。

そのため自治会に入って近所隣の人たちと顔見知りになることで、助け合える場面が増えることは事実です。

但しその反面、自治会の出ごとや出費の負担が増えたり、役員の負担があるのも事実です。

でももしあなたが入った自治会がとても風通しが良く、近所隣の人たちとのつながりもほどよく、心地よい暮らしができたとしたらどうでしょうか。

きっと自治会の出ごとや出費の負担はあまり気にならなくなるはずです。

そこでこれから田舎へ移住を検討している方は、住みたい地域が見つかったら家を買う前に空き家を借りて、「地域性」や「人間関係」などをしっかりとリサーチすることをオススメします。

タネヨメ

私たちがこれから子育てしていく場所になるし、子供たちにとっても「ふるさと」になる場所だから、みんなで助け合える地域に住みたいよね。

タネ

皆さんも事前のリサーチをしっかりして、素敵な地域と出会ってください!