「田舎に本格的に住みたい!」と考えたときに課題となるのが田舎の空き家探しです。
空き家を探したいんだけど、どうやって探したらよいのかわからないわ。インターネットで不動産サイトも見たことあるし、市町村の空き家バンクの情報も知ってるけど…何をどう見たらよいかわからないわ。
空き家探しについては、探し方で見つかる物件の特徴に大きな違いがあるよ。だからこの記事を読んで、空き家の探し方と探し方で異なる物件の特徴をおさえていこう!
1.空き家の探し方3選
2.3つの空き家の探し方のメリット・デメリット
3.3つの空き家の探し方とそれぞれの方法で見つかる空き家の特徴
4.空き家探しの注意点3点
空き家の探し方
今回は、賃貸と売買と双方に共通する空き家の探し方について解説します。空き家の探し方としては、大きく下記の3点あります。
①不動産サイトで空き家を探す
大手不動産サイトでは、移住したい地域を選択し、その地域にある空き家一覧を閲覧することができます。
家の間取りや金額、権利関係などについて情報が整理されているので、リサーチしやすい特徴があります。
都市近郊の物件が多く掲載されていますが、田舎の空き家情報の掲載は少ない傾向にあります。
②市町村の空き家バンクサイト
現在日本では人口が減少しているため、市町村をはじめとする地方公共団体では「空き家バンク制度」を設けています。
空き家バンク制度とは、空き家の売却又は賃貸等を希望する所有者等から申込みを受けた情報を、本市町村への定住等を目的として空き家の利用を希望する者に対し紹介する制度をいいます。
要するに、市町村が空き家を「貸したい・売りたい」人の情報を不動産会社に代わって掲載し、空き家を「借りたい・買いたい」人へ紹介しそのマッチングを行うものです。
各市町村の空き家バンクを取りまとめたものを、各都道府県がポータルサイト的に閲覧できるように掲載しているところが多いです。
③口コミで空き家を探す
自分が移住を希望する地域の親類や友達・知人に直接空き家を紹介してもらう方法です。
移住を希望する地域にそもそも親類や友達がいる人はごくわずかでしょう。
お試し住宅を借りてみたり、賃貸物件を探して、知り合いになった方から口コミ情報をもらうのが一般的です。またWWOOF(ウーフ制度)などを利用して、長期滞在する中でウーフホストさんから口コミ情報をもらうこともできます。
3つの空き家の探し方のメリット・デメリット
①不動産サイト
メリット
いつでもどこでもインターネットで不動産サイトを見れば検索できます。
家の位置、間取り、権利関係などを整理して掲載しているので、空き家情報へアクセスがしやすいのがメリットです。
中小の不動産屋が管轄している地方の空き家情報も、SUUMO、アットホーム、ハトマークサイト、OCN不動産など大手不動産会社がまとめて掲載していることが多いです。
実際に気に入った物件があった場合に、賃貸・売買などの手続きを不動産屋さんを通して進められるので、安心して手続きを進めることができます。
デメリット
都市圏や人口の多い地方都市などの空き家情報は多く掲載されていますが、人口の少ない田舎の空き家情報は、圧倒的に物件の掲載数が少ない傾向にあります。
また人気のある田舎のエリアでも不動産サイトに出ている物件は、月々の管理コストがかかる分譲別荘地の情報が多いです。
「田舎で自給自足の暮らしをしたい」「古民家に住みたい」と考えているような人に向いた物件は少ないです。
逆に言うと、「ログハウスに住みたい」「近所隣を気にしないで気楽に生活したい」という人に向いた物件は多く出ています。
また不動産サイトに掲載されている物件の売買時は不動産屋さんに仲介手数料(売買金額により上限あり、概ね売買代金の3%以上)を支払う必要があり、必然的に空き家の価格は高くなります。
②市町村の空き家バンク
メリット
不動産サイトに出ていないような、古民家や畑付き物件など田舎暮らし向けの物件が数多く掲載されています。
また賃貸費用や売買代金も不動産サイトに比べて安く、田舎暮らしの第一歩として手ごろな物件を見つけることができます。
畑などの農地付き物件の購入時には農業委員会を通す必要があるので、注意してね!
デメリット
市町村の空き家バンクですが、最近ではどの市町村でもネット上に掲載していることが多いです。
市町村によってはサイトの更新が滞っており、最新の空き家バンクの情報掲載が遅れている場合があります。
また市町村は基本的に空き家のマッチング(出会いの場の創出)だけ行い、その後の売買・賃貸に関する交渉・契約に関する仲介行為には関与しません。
よって気に入った空き家があった場合、あとの手続きを自分で進める必要があります。
③口コミ
メリット
市町村の空き家バンクに出ていない、条件のいい空き家が見つかる可能性があります。
特に条件がよくて価格が安い物件の場合、田舎では隣接する近所隣の人が購入することも多く、早い段階で借主や買い手が見つかります。
よって口コミ情報をいち早く入手することができれば、それだけ希望する空き家と出会える確率が高くなります。
デメリット
いい口コミ情報を手に入れるためには、希望する移住先にお試しで自分が住んでいるか、友人・知人がいる必要があります。
田舎の空き家についての口コミ情報は、SNSなどでも掲載されることがほとんどないため(個人が特定されやすく、持ち主も周囲に知られることを嫌がる傾向にある)、情報へアクセスしにくいのがデメリットです。
またいい物件が見つかったとしても、物件の所有者との出会いの場を自ら創出する必要があり、売買・賃貸に関する交渉・契約などもすべて自分で行う必要があります。
3つの空き家探しの4つの比較まとめ
3つの空き家の探し方のメリット・デメリットをまとめてみると、こんなふうになりました。
不動産サイト | 市町村の空き家バンク | 口コミ | |
情報へのアクセス度 | ★★★ | ★★ | ★ |
希望物件が見つかる確率 | ★ | ★★ | ★★★ |
物件の価格の手ごろさ | ★ | ★★ | ★★★ |
賃貸・売買手続きの簡易さ | ★★★ | ★ | ★ |
なるほど、ただこれはあくまでも参考程度にね。
不動産サイトでもいい物件が見つかることもあるし、逆にトラブルになることもあるよ。
空き家情報を自分の目でしっかり見て・聞いて・調べて確かめることが大切だね!
空き家探しの注意点
①土地と建物がそれぞれ持ち主の登記名義になっているか
田舎の空き家物件では、親などが亡くなって相続時に登記されずに、亡くなった人の名義のままになっているケースが数多くみられます。
よって土地と建物とそれぞれが賃貸・売買の相手方である、持ち主の登記になっているかどうか確認が必要です。
仮に今の持ち主が相続時に兄弟など他の相続人がいて、遺産分割協議後に相続登記がきちんとされていないと、土地と建物の持ち分が相続人の人数分に分割されて、例えば1/3の権利の移転登記しかできない事態も発生することがあるので、要注意です。
土地と建物の登記情報は、最寄りの法務局で登記簿謄本(簡単にいうと不動産の所有者の履歴書)を取得して確かめることができるほか、「登記・供託オンライン申請システム」を利用した登記簿謄本のオンライン申請もできます。
また「登記情報提供サービス」を利用して閲覧だけ行う(登記簿謄本としての法的証明力はなし)こともできます。
だれでも賃貸や売買を検討している土地や建物の地番がわかれば、登記簿謄本を取得できるんだよ。
僕は口コミで今住んでいる古民家を見つけたので、売買のため自分で法務局に行って、土地と建物の登記簿謄本を取得して権利関係の確認をしたよ!
②ライフラインは確保されているか
田舎の空き家の賃貸の場合はあまりトラブルになることがありませんが、売買の場合はライフライン、特に「水」の権利に注意が必要です。
水の権利?どこでも水道があるんじゃないの?
田舎の空き家には公営(市町村営)の水道が引かれている場所と、そうでない場所があります。
公営の水道が引かれていない場所は、簡易水道組合(集落単位での水道組合)で水源から水を引いていたり、山付きの家で水を自分の家に直接引いたり、そうでもなければ井戸水を自分で掘らなければならなかったりします。
家によっては簡易水道組合の水の権利だけ、別の人に売却していたりすることもあります。
水の権利がどうなっているか、特に注意が必要です。
せっかく素晴らしい田舎の空き家を見つけて買ったけど、水の権利がない…なんてことにならないように、事前にしっかり確認しておきましょう。
③災害に強い場所か
田舎の空き家探し注意点の最後は、災害に強い場所かどうかです。
実際に暮らしてみないとわからないことがたくさんありますが、特に台風・大雨時は予想もしないような災害が起こることがあります。
特に中山間地では、平野部に比べて標高が高いため風が強く、大雨時は河川氾濫や土砂災害の恐れがあります。
希望する空き家が見つかったら、その空き家が所在する市町村のハザードマップを見て、危険箇所がないかチェックしましょう。
人気のある田舎の別荘地などは、見晴らしの良い大地に作られることが多いですが、それは同時に風を遮るものがないという意味です。
昔からの集落がある場所は、谷筋で風が当たりにくく、かつ日当たりがよいような場所に作られています。
地域の気象条件などは地元の人が詳しいので、近くに住んでいる人に直接聞いてみるのが確実でしょう。
田舎の空き家を探し方のポイントや注意点がよくわかったわ!
ぜひあなた好みの素敵な空き家を見つけて、楽しい田舎暮らしをスタートしてね!