田舎暮らしに憧れているけど、住みたい地域の仕事をハローワークなどで探しても年収200万円〜300万円の仕事ばかり。
本当にその年収で田舎で暮らしていけるのか、移住に向けて不安な方がたくさんいると思います。
「年収200万円でも生活できるの?」
結論から言うと「年収200万円でも全然生活できるよ!というか年間100万円貯金も夢じゃないよ。」
ただし独身者であることと、浪費をしなければ、という条件付きです。
「独身者であること」とあえて入れたのは、自分の財布の管理を完全に自分でできる場合という意味合いです。
よって財布の管理をきちんとできるのであれば、パートナーと2人暮らしでも実現できるでしょう。
僕は年収200万円に満たないアクティブレンジャーを3年、地域での仕事を2年してきましたが、その間独身だったこともあって年間100万円近く貯金をすることができました。
しかし無理して禁欲的な生活をしていたのではなく、周りにコンビニやスーパーなどが全くなく、自動的にそうなっていただけです。
また田舎ならではの節約術を駆使することで、出ていくお金を最小限にとどめこともできます。
ちなみに当時僕はヒッピーではなく、自家発電も薪ストーブも、完全自給自足もしていません。
皆さんと同じように、普通の生活をして普通のご飯を食べていただけです。
この記事では僕が具体的に実践してきた、年収200万円でも年間100万円の貯金をする秘訣を公開します。
1.年収200万円でどうやって100万円貯金を実現できたか
2.田舎暮らしだからできる節約ポイント3選
3.自炊を続けるために3日間食べられる簡単で美味しいループレシピ
1.僕がアクティブレンジャーだったときの年収200万の生活公開
僕は環境省のアクティブレンジャーを3年間していました。
環境省のアクティブレンジャーは、国立公園のパトロールや自然ふれあい事業を行う非常勤の国家公務員です。
10年以上前の当時は非常勤の国家公務員にはボーナスの支給もなく、単純に日給月給で計算される給与が支給されていただけです。
当時の僕の給与
日給:約8,800円
月21日勤務
賞与なし
→8,800円×21日=184,800円/月給
社会保険天引き:約25,000円/月
平均手取り:160,000円/月
給与額(手取り)を通帳から振り返る
4月 | 167,363 |
5月 | 159,194 |
6月 | 167,363 |
7月 | 175,532 |
8月 | 163,278 |
9月 | 150,578 |
10月 | 184,504 |
11月 | 153,036 |
12月 | 151,809 |
1月 | 151,809 |
2月 | 151,809 |
3月 | 159,988 |
合計 | 1,936,263 |
当時手取り年収200万円無かったことに、今気がつきました😓振り返るとよくやってきたなあ。
当時の僕の支出明細
携帯:7,000円
ガソリン:15,000円
家賃:25,000円(電気・ガス込みの間借り)
食費等:15,000円
灯油代(冬だけ):5,000円
車の保険(軽自動車) :月割で約5,000円
交際費:5,000円
合計:77,000円
平均手取り収入 160,000円 − 支出 77,000円
=83,000円
ん!?83,000円余っている!?
そのまま貯金すれば
83,000円×12ヶ月=996,000円
ほぼ100万円!
結論:年収が低いから貯金できない、なんてことはありません。
貯金額は単純に収入から支出をさしひいた金額なので、いかに支出を減らすかを考えればいいだけです。
では具体的に支出額を減らす、田舎暮らしならではの節約ポイントを解説します!
2.田舎暮らしの節約ポイント
1.店に行かない(というか行けない)
当たり前すぎて、「は?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、これが田舎での最大の貯金の秘訣です。
僕はアクティブレンジャーの時に、弁当やパン、ペットボトルのお茶や缶コーヒーなどはほとんど買ったことがありません。
というか田舎なのでコンビニやスーパーが近くにありませんでした。
コンビニやスーパーまでは車で30分以上かかるので、必然的にお店に行く回数が減り、結果として浪費することがなかっただけです。
コンビニやスーパーがないと不便だと感じる方が多いと思いますが、逆に何もないからこそ、お金を使う機会がなくなります。
今はネットで買い物ができる便利な時代になりましたね。
ネットショッピングで浪費しないよう、気をつけましょう。
生協の宅配サービスなどは余計なものを買わなくなるので、オススメです!
食費は極端に切り詰めたわけではありません。
スーパーは閉店間際に割引で安くなっているものを買います。
というかスーパーまで車で30分以上かかるので、仕事が終わってから行くと(夕方6時過ぎてから出発)、ほぼ閉店間際でした(田舎のスーパーは8時で閉まる)。
だから仕事が終わってから買い物に行くと、自動的に割引価格のものしか置いてなかったということです(笑)
「不便である」ということは、自らが禁欲的にならなくても「浪費をしなくて済む」ということでもあります。
2.自炊をすること
2つ目のポイントは「自炊をすること」です。
田舎では新鮮な米・野菜が都会よりも安く手に入ります。
道の駅に行けば旬の美味しい野菜が、スーパーよりも安い値段で売っています。
また地元の方との近所付き合いがあれば、お野菜をいただくことが多いかと思います。
よってこれらを利用して自炊をすることが2つ目の節約のポイントです!
僕は国立公園地域に住んでいるのですが、飲食店の価格は観光地価格のため一般的な店に比べたらとても高い(1,000円以上)です。
なので朝昼晩3食自炊をしていました。
ただ自炊でも、長く続けるためのコツがあります。
それは「簡単で、美味しいこと」です。
自炊は定食屋のように、ご飯・汁物・肉・サラダの4点セットでないといけないなんてことはありません。
ここでは僕がよく作っていた、簡単で美味しい自炊料理を紹介します。
昼は仕事で弁当を持参していたので、朝食&夕食編と昼食編で分けて紹介します。
僕がよく作っていたもの1 朝食&夕食編
簡単で美味しい自炊料理の始めは、大量に「具だくさんスープ(鶏肉や豚肉も入れる)」を作ることから始まります。
そこから味変をしていって、3日かけていろいろな味を楽しみます。
「具たくさんスープの味変ループメニュー」
初日:具だくさんのスープ(コンソメまたは和風だし)
肉・野菜など、冷蔵庫にあるもの、なんでも入れてしまいましょう。
投入するものでオススメは、骨付き鶏肉です。骨付き鶏肉はヘルシーで価格も安く、骨から出汁も出て一石二鳥です。
味が薄い時はポン酢や胡麻だれで食べます。
2日目朝:初日の具だくさんスープの一部を別にして、味噌を入れて味噌汁に(2日分)。
2日目晩:初日の具だくさんスープに野菜を追加投入し、鍋の素を入れて味変鍋に。
3日目朝:2日目の味噌汁
3日目晩:2日目の鍋にカレー粉やシチューの素を入れて、カレーorシチューorハヤシライスに。
基本的にこのループの繰り返しでしたが、味変することで飽きずに美味しく自炊を続けることができました。
注意点としては、日持ちしないものや悪くなりやすいものは中に入れないこと(豆腐などはNG。豆腐は食べるときに個別の鍋に移して食べる。)です。
僕がよく作っていたもの2 昼食編
昼食は毎日お弁当を作って持っていきました。
弁当用に休日にまとめて作っていたのは、「コロッケ」です。
ジャガイモを大量に買っきて、たくさん作って冷凍しておけば、レンジでチンして毎日食べられる立派な1品になります。(玉ねぎやひき肉も入れるとかさが膨らみます)。
調理方法は、ゆがく→マッシュ→衣をつけて成型→揚げる→冷凍の流れです。
2週間くらいは味が落ちません。僕は1ヶ月ほど冷凍して利用していたこともありました。
弁当作りでは、全てのものを手作りするとしんどいので、ウインナーだけ買ってました。
ウインナー、目玉焼き、野菜炒め、コロッケで、見た目も内容も立派なお弁当です!
3.家賃をおさえること
3つ目は家賃をおさえることです。
「え!?田舎じゃ家賃はどこでも安いんじゃないの?」と思ったあなた、続きを読んでください。
田舎でも観光地は家賃が安くない
「田舎だと家賃が安い。」というイメージを持っている方が多いかと思います。
これは事実であり、また一方で当てはまらない地域もあります。
それは「人気のある観光地」です。
特に国立公園地域では、風光明媚な人気のある観光地であるがゆえに、移住希望者が多い傾向にあります。
すなわち需要>供給の関係であることが多く、必然的に家賃が高騰する傾向にあります。
(移住希望者が多くても田舎なのですぐに賃貸住宅の供給量が増えることはまずありません。)
これは九州内の他の国立公園で働いている人たちのアパートの家賃を聞いたところでも、ほぼ当てはまるようです(月4〜5万円程度がボリュームゾーン)。
東京郊外のアパートの家賃と大差ないのが現状です。
人気のある観光地でも家賃が安い物件を見つけるには
では人気のある観光地でも家賃が安い物件を見つけるいい方法はないのでしょうか。
実はあります。
市町村が管理する空き家バンクです。
空き家バンクは田舎で家を貸したい人と借りたい人をつなぐプラットフォームです。
市町村が管理する空き家バンクには、管理されているアパート物件は少なく(というかほとんどない)、賃料が10,000円〜30,000円程度の1軒屋や間貸し物件がよく出ています。
ただしそういった物件は、アパートのような快適性を求めることはできません。
エアコンなし、トイレは水洗だけど汲み取り・共同、風呂はシャワーなし、和室オンリー、のような物件です。
「風呂なし」と書いてあると、候補からすぐに外す方もいらっしゃるかもしれません。
しかし国立公園地域の多くは温泉地であることが多く、近くに共同浴場などがあれば、「風呂なし」でも全く問題ありません。
というか共同浴場がすぐ近くにあるので、そもそも家に風呂が必要ないだけです。
また共同浴場を利用すれば、お湯を沸かさないので光熱費の節約にもなります。
温泉があちこちで湧出している大分県民は、共同浴場を利用している人が大変多く、みんな100均の手提げカゴに、シャンプー・石鹸・タオルなどを入れて、日頃から車の中に入れて持ち歩いているほどです。
エアコンが付いてなくても、後から相談次第で自分でつけることも可能でしょう(賃貸借契約をする前に大家さんに確認しておきましょう)。
まとめ
田舎暮らしを検討する際に最初に考えるべきことは、「年収」のいい仕事を見つけることではなく、「支出をいかに減らすか」です。
「支出をいかに減らして生活できるか」が、収入以上の収穫=貯金をもたらします!
特に田舎は不便であるがゆえに、禁欲的にならなくても、浪費をしなくて済む環境にあります。
「お店がない」と不満を言うのではなく、「お店がなくてよかった。おかげでお金が貯まる。」と考え方を変えましょう。
移住前に支出を減らすためにできることは、家賃の安い家を空き家バンクで探しておくことと、自らのライフスタイルを見直すことです。
特に田舎で貯金をしようと思ったら、自炊は必須です。
というか田舎で勝つ方法はこれしかありません。
仕事は年収に関わらずやりたい仕事を見つけて、支出を抑える生活を実現できたら最高ですね!
この記事が皆さんの田舎暮らしを始めるきっかけになると嬉しいです。