my works

「お前は信用しない」と罵られた僕が、九重で見つけたリピート率60%の真実。由布院・黒川を超える九重ブランドの正体

「お前のことは信頼できない」

「お前の組織は数年でなくなる」

九重町DMOが立ち上がって一ヶ月。

志高く飛び込んだ僕を待っていたのは、

想像を絶する批判の嵐でした。

僕が17年の自然保護を卒業して

観光地域づくりに行った理由はこちら↓↓

地域活性化の嘘に疲れた人へ。17年の自然保護を卒業して、僕が「本物の観光地域づくりDMO」に人生を賭けた理由。 観光業は、自然と地方を救うのか。 国立公園の自然保護に 17年ささげてきた僕が、 いま、観光という 新しい...

「数年でなくなる」

「お前に何ができる」

「どうせ補助金団体だ」

「お前のことは信用していない」……。

あいさつまわりで受けた

数々の酷評に

ゴールデンウィーク頃に

突然汗ばんで胸の動悸がしたり

息ができなくなりました。

でも、足が震えるようなこわさで

町を歩き、町の人の声に

耳をかたむけ続けた時に

気づいたんです。

向けられた厳しい言葉は、

皆さんが必死に守ってきたこの町を、

「これ以上傷つけたくない」

「もう裏切られたくない」という、

切実な祈りの裏返しなのだと。

なぜ今、批判を浴びながらも

この町で「組織」を語るのか。

その「本当の理由」を、

少しだけ個人的な物語と共に

お話しさせてください。

【この記事を初めて読んでくださる方へ】

僕はエリートでも何でもありません。

司法試験に落ち、社会に居場所を失い、

九重の地に拾われて

手取り15万の仕事からスタートして

九重の自然と人に救われた人間です↓↓

アクティブレンジャーの仕事内容と現実。手取り15万で見つけた「灰色の空」からの卒業 この記事は、アクティブレンジャーの 試験対策を探している人だけでなく、 『今の自分にはどこにも居場所がない』と 感じ...

泥まみれで道を作る「九重のプライド」|豪雨の山で見た、無償の愛と覚悟

​正直に言えば、

僕に「期待しているよ」と

静かに声をかけてくれたのは、

ほんの一部の人たちでした。

僕はその人たちを、

絶対に裏切ることができません。

​忘れもしない、あのコロナ禍。

そして令和2年7月豪雨。

お客さんが一人も来ず、

誰もが目を伏せたくなるような数ヶ月。

僕が当時仕事でかかわらせてもらっていた

大分県九重町飯田高原の

観光事業者の皆さんは、

いつ明けるともわからない

コロナ禍の状況の中、

無償で自らの手で登山道を整え、

園地や公共駐車場の草を刈り、

野焼きでは20kg以上にもなる

水の入った袋を背負って

高低差300mもある山の中を

はいずりまわっていました。

それに追い討ちをかけるように起きた

令和2年7月豪雨。

​自らも被災したにもかかわらず

水害でズタズタに傷ついた

登山道を毎日のように

一人黙々と直している

あの人は言いました。

「また九重を愛する人が来たときに、

最高の状態で迎え入れられるように。

俺たちがやらなくて誰がやるんだ。」

コロナでお客さんが来なくなって

本当に苦しかったはずなのに

自らの資金をつかい

からだを酷使して道を作るその背中を、

僕はすぐ後ろで見ていました。

そして彼の後ろ姿を見て

ともに作業をする仲間の姿が

ありました。

彼らこそが、

九重のプライドそのものでした。

​「なぜこれほどまでに

町を想う人たちが、報われないのか」

酒を飲みかわす席でも

「こんなに頑張って

こんなに素晴らしい素材も

たくさんあるのに

これから観光業を

どうつないでいいかわからない。」と

こぼす声をたくさん聞きました。

僕は自問自答を繰り返し

答えを探す中で、

一つの残酷な真実に突き当たりました。

みんなが「間違っている」のではない。

必死に守り抜いてきた

「戦い方のルール」そのものが、

時代と共に変わってきているんだ。

「バズり」よりも「深い共感」を。SNS時代の観光地域づくりが目指すべき物語

マスメディア全盛期は、

テレビ・新聞・雑誌という大きな山から

大きなイベントや話題を打ち上げ、

どれだけ遠くの人に

気づいてもらうかが勝負でした。

話題を作り続けることこそが、

観光地の注目度そのものだった。

皆さんが信じてこられたそのやり方は、

間違いなく「正解」でした。

しかしSNSの時代に入り

遠くの人に気づいてもらう時代から

「共感」して拡散する時代に変わりました。

中にはあっと驚く話題を作り続けて

バズることを望む人もいます。

でもそれは本当に観光事業者の皆さんが

望む姿でしょうか?

みんなが求めているのは

1日で流れて消える物語ではなく、

「思わず誰かにそっとシェアしたくなり、

時代を超えて語り続けられる物語」

そしてその物語を読んで

共感してくれた人達が

僕たちの地域を応援し続けてくれる

未来ではないでしょうか。

由布院・黒川温泉に学ぶ「ブランド」の正体|風景のために代償を払う覚悟

九重のとなりには、

由布院温泉と黒川温泉という

誰もが知る巨大な成功モデルがあります。


「由布院は」「黒川は」と、

町のみんなも常に気にしています。

彼らがなぜブランドになったのか、

その経緯には僕たちが学ぶべき、

凄まじい「覚悟」があります。

​由布院の中谷健太郎さんや溝口薫平さんは

ドイツのクアオルトにヒントを得て、

歓楽街ではなく

「暮らしの延長線上にある温泉保養所」を

作ろうとしました。

彼らは自分たちに

「建物の高さや色、素材」という

とてつもなく面倒な

行政の規制を自らかける

「景観条例」を動かし、

由布岳の見える風景を守り抜いたのです。

黒川温泉は約30軒の宿を一つの大きな旅館、

道を廊下、木々を庭園に見立てる

「黒川温泉一旅館」という

コンセプトを掲げました。


あの有名な「入湯手形」も、

立ち寄り湯を

いつでも受け入れるという、

宿同士の利害を超えた

面倒な協力体制なしには

実現しませんでした。

2002年には

黒川温泉自治会が主体となり、

24軒28の湯宿と

100戸の地域住民よる

景観形成のルールを作ったといいます。

これらに共通するのは、

お客さんが触れたいと考えている

「土地の哲学」や「物語」が映る

風景のために、

観光事業者が自ら代償を払い、

数十年にわたって

積み重ねてきたということです。

これが彼らの「ブランド」の正体です。

こうした成功をふみながらも

大手資本や意図せぬ広告につかわれ

土地の人たちが望んだ形に

100%なっていない現状はあるものの

これらの町づくりの哲学や物語は、

今の時代においても

色褪せない輝きを放っています。

ブランドは

ある日突然できるのではなく

土地の哲学や物語が

風景や取り組みの中に

つみかさなり

みんなの意識のなかに

「あそこはこういうところだよね」と

少しずつ認識されてできるものです。

それはまるで

ゆっくりと発酵するお酒のように。

お客さんは

一見消費しているように見えますが

実はその街並みや風景にふれることで

その土地の哲学や物語にふれるのを

楽しんでいるのだと思います。

九重町に眠る「1000年の物語」|由布院・黒川にはない、川と草原が紡ぐブランドの骨格

九重町の人たちは

みんな口を開くと

「由布院は」「黒川は」と話をします。

でも僕はここで見つけたんです。

九重の観光事業者の皆さんが

汗水たらして作ってきた物語には

そのブランドの太い骨格になる部分が

存在すると。

そしてそれは

数十年単位ではなく

1000年以上にわたり

守りつづけられてきた

言葉にならないくらい美しい

山と草原

数百年続く温泉の湯けむりや

蛍がまう川という

美しい暮らしの風景

現れています。

九重町の心の原風景は

川と草原。

これは学術的な根拠とともに

示されてきました。↓↓

「土地の記憶」が風景をブランド化する。九重の生物多様性戦略(行政計画)が「愛のバトン」に変わるまで 「あの山を見ると、 今も当時の お父さんのことを思い出すんだよ」 九重の自然の聞き取り調査で、 あるお...

「風景は飯を食わせてくれるのか?」年間2000万円の価値を「商売の力」に変える方法

風景をブランド化すると言っても、

「じゃあそれは飯を食わせてくれるんか?」

という質問をされたことがあります。

「はい、風景は

直接は飯を食わせてはくれません。」

でも、風景は僕たちに長い時間、

間接的に飯を食わせてくれることを

約束します。

この九重の風景を維持する価値は、

計算すると年間2000万円以上。

10年で2億円以上。

もし失ったとしても、

この価値を

お金で買い戻すことはできません。↓↓

「一銭にもならない」活動を誇りに。自然保護の価値をお金というラブレターで伝える 「こんな活動、 一銭にもなりゃしないよ。」 里山や自然保護活動で よく聞こえてくるコトバです。 お...

九重は由布院・黒川に

なる必要があるのでしょうか?

僕は自然を守りたいから

言っているのではありません。

500人のお客さんに聞いたんです。

(観光目的での来訪者

第1ターゲット福岡・熊本・大分

第2ターゲット大阪を中心とする近畿圏に

それぞれ500ずつとったもの)

◆九重に求めている心理感情

①壮大な自然

②癒やされる

③ゆったりできる

④静か・落ち着く

◆九重に求めている物的要素

①自然

②山

③四季の景色

④草原

◆九重に求めている体験要素

①温泉

②ドライブ

③登山

④ハイキング

この結果から

九重に来ている人たちは

『賑やかな観光地』ではなく

『九重の静かな自然』を求めて

ここに来て、お金を払っていることが

わかりました。

ただし今、

全国で「自然が豊かです」と叫ぶ自治体は

5万とあります。

このコモディティ化

(どこも同じに見えること)を

防ぐ唯一の方法は

差別化、つまり

「九重ならではの物語」を

風景に宿すことです。

九重の風景の正体は、

前述したように

1000年以上守られてきた

「川と草原」です。

おとなりの阿蘇は

九重とよく似た地形や

風景を有しています。

阿蘇は

「世界最大のカルデラと草原」を武器に

草原で放牧されている「赤牛」をフックに

赤牛を食べることで草原が守られるという

「草原と消費」の物語を語っています。

それは素晴らしい「正解」です。

でも、九重は

「くじゅう連山と筑後川源流」を武器に

もう少しだけ

欲張りなことを考えたいと思います。


景色を直すだけじゃなくて、

そこにくる「あなた」も、

いっしょに治っちゃえばいいのに、って。

九重の原風景と土地の声がつまった

「ココノエのこえ」なら

どんなことを言うでしょうか?

キャビンカンパニーさんが絵を描いてくれた

「ココノエのこえ」の絵本ができるまで↓↓

「土地の記憶」が風景をブランド化する。九重の生物多様性戦略(行政計画)が「愛のバトン」に変わるまで 「あの山を見ると、 今も当時の お父さんのことを思い出すんだよ」 九重の自然の聞き取り調査で、 あるお...

九重は、人と自然が「いっしょに」呼吸を整える場所|生命の力を取り戻す五感の旅

九重は人と自然が

「いっしょに」呼吸を整える場所。

東京や大阪でヘトヘトになるまで働いて、

自分がどこに浮いているのか

わからなくなっちゃった、あの人。

そんな人が九重に来て、

どこからも汚されていない

筑後川最上流部の水でできた

お米をフーフー言って食べ、

ぷりぷりのシイタケの香りで、

野焼き草原のクヌギ林に遊び、

色鮮やかなネギに

お父さんが汗をかいて守り抜いた

日常の彩りを思い出し、

地獄蒸し大豆の手作り味噌で

思い出のおばあちゃんの味をかみしめ

草原の草をはんだ

豊後牛のあぶらの温かさで胃が満たされる。

キリッとした八鹿の日本酒に

源流湧水の心地よい刺激を舌で感じる。

宿だけじゃない共同浴場もめぐって

地元の人たちとふれあって

温泉で足元からポカポカぬくもり、

地熱エネルギーを体じゅうに取り入れ

満天の星空を見上げながら、

「私もこの土や水と同じ、

ひとつのいのちだったんだ」とふと思う。

山からキラキラとたちのぼる朝日が、

昨日までヒリヒリしていた心を

やさしくつつみ込み

希望の1日がはじまる。


ここはあなたが、

あなた自身の

いのちの力を取り戻す、

ちょっと不思議な、

深呼吸ができる場所です。

九重の物語を

五感で感じることは、

あなたの足元に、

もう一度

「いのちの根っこ」が生えること。

ただの「お客さん」として

消費して終わりじゃない。

あなたは、

この風景に根っこを生やした、

「九重の大地の家族」になるんです。

全国平均を凌駕する「リピート率6割」の衝撃|消費されない「大地の家族」という関係性

僕は17年、

自然のことばかり見てきました。

商売の苦しさを本当の意味で

理解できていないかもしれません。

だから、ここまで書いたときに

本当にこのストーリーが

みんなの心に届くのか

心配になりました。

でもこの町の温泉街の

お客さんのリピート率を見た時に

お客さんが求めていることや

方向性は間違っていないと

考えるようになりました。

1000年の歴史があると言われる

町のある温泉街では、

2回以上のリピート率が6割以上。

4回目以上は脅威の4割近くでした。

全国の温泉地のリピート来訪意向が、

3〜4割という中で、

実際のリピート来訪

『6割』という数字は、

全国でも一握りの場所しか到達できない

奇跡的な数字です。

これは僕が理想を語るまでもなく

皆さんが選ばれ続ける本物を作ることで

九重がセカンドハウスみたいになって

お客さんに根っこが生えていると

いえないでしょうか?

まだ町の中の他の温泉街のデータは

持っていませんが

リピーターさんが

ずっと応援してくれたら

とても心強いですよね。

そんな地域を

いっしょにつくりませんか?

都市部から

「九重の自然を支えたい」と

長者原ビジターセンターへ

身銭を切ってやってくる人たち。

泥々になって外来種とたたかったり

ヘトヘトになるまで登山道を直したり

熱中症になるまで草を刈ったり

(これは危険ですが)

そんな仲間の年間延べ人数は

ざっと500人以上はいます。

由布院や黒川の風景を

「支えたい」と思って

これほどの熱量で

自らボランティアに来る人が

いるでしょうか?

これは「消費」ではなく、

観光客自らが

九重の土地の物語になるという、

全く新しいポジショニングになると

感じています。

僕たちに足りないのは、

この風景の中で提供される

観光サービス(宿泊・飲食・体験)の中で

その物語をしっかりと感じられる

「仕組み」です。

大地とひとつになる感覚なんて

宗教っぽいなんて

はき捨てないでください。

みんな大地でできたものを

食べているじゃないですか。

入口は「食」です。


九重の自然とともに

事業を守り続ける担い手や

そこでできる農産物を

九重の言い伝えや

ストーリーとともに紹介し

お客さんはその物語を食べる。

九重町の特産品のシイタケが

みんなの心を温めるストーリー↓↓

「商売は、誰かの心を温めるためにある。」〜大分県九重町・シイタケ農家「やまなみきのこ産業」が絶望の夜を越えてつなぐ、地方創生の希望。 「あぁ、これって、ただの食べ物じゃないな。」 ひと口食べた瞬間、 そう思わずにはいられませんでした。 ...


そんな仕掛けを

皆さんと一緒に作っていきたいのです。

今までこの町の観光は

いろんなところで

分断を生んでいたかもしれません。

でもこれが実現したら

「観光」で町のみんなが一つになる。

そしてそれは結果的に

お客さんが大好きな

九重の最大の魅力である

「壮大な風景」を守る仲間づくりに

つながらないでしょうか?

10年後の九重のために。物語があるから「高く売れ、若者が戻る」町へ

僕に厳しい言葉を

かけてくれたあの人には

まだ僕の言葉は届かないかもしれません。

どれだけ頑張ったからといって

観光地として

絶対輝ける保証もないし

正解を見つけられるわけでも

ありません。

1日2日でブランドはできるものでは

ありません。

10年、20年かけて

みんなで育てていくものです。

きれいごとだけで

飯は食えないのもわかっています。

でも、僕はあきらめません。

「期待している」と

言ってくれたあの人の背中を、

絶対に裏切りたくないから。

皆さんが守り続けてきた哲学と物語が

今、この目の前の風景にあるから。

物語があるから、

高く売れる。

物語があるから、

若者が「ここで働きたい」と戻ってくる。

物語があるから、

補助金に頼らない自立した町になれる。

そんな未来を実現しませんか?

​いつか皆さんと心の底から笑って

酒をくみ交わし、

「あの時は必死だったなあ」と

語り合える日が来ることを信じて。

……なんて、

また熱く語りすぎました。

結局はこたつの誘惑に負けて、

だらだらスマホ見て

着の身着のまま

ミノムシみたいに

寝ちゃうんですけどね。

みんな九重に来たときくらい、

深呼吸しましょうよ。

タネムラのこえ

来年度はそんな

九重町の観光は何を目指すのか

コンセプトづくりをおこないます。

お楽しみに!

全国のクリエイターさんや

地域おこしに興味がある方、

ぜひ僕たちの力になってくれませんか?

Xから気軽にメッセージをください!

自然となりわいが

仲良くひとつだった時代へ。

観光は切れてしまった

人と自然のなりわいの関係を

もう一度結びつけてくれるはずです↓↓

地域活性化の嘘に疲れた人へ。17年の自然保護を卒業して、僕が「本物の観光地域づくりDMO」に人生を賭けた理由。 観光業は、自然と地方を救うのか。 国立公園の自然保護に 17年ささげてきた僕が、 いま、観光という 新しい...

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そんな未来を自分で描きたい人へ↓↓

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ネイチャーガイドの仕事・年収・資格|自然と文化を未来へつなぐ「新しい働き方」 この記事は 「将来、自然に関わる仕事で移住したい人」 「副業でガイドを始めてみたい人」 そんな人に現場のノウハウをつ...

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でも変わらなきゃ。

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「このままでいいのか」と立ち止まる40代のあなたへ。九重の自然が教えてくれた、中年の危機(ミッドライフ・クライシス)を希望に変える方法 台湾の空に飛ばした「世界平和」のランタン なぜ塾のない九重の山奥から、台湾へ向かったのか 僕は家族みんなを 台湾に連...