農と食のタネ

ほったらかしで朝晩混ぜる簡単「米麹(こめこうじ)」の作り方〜塩麹や味噌作りに!〜

ほったらかしで朝晩混ぜる簡単「米麹」の作り方
タネ

麹(こうじ)って聞いたことあるけど、酒屋のイメージしかないなあ。一体何に使うの?しかもそんな難しいものを家で作ってどうするの?

タネヨメ

麹(こうじ)は今流行りの調味料、塩麹(しおこうじ)や味噌(みそ)を始めとする、日本の伝統調味料の原料だよ。塩麹は肉料理・魚料理・炒め物・スープなど、素材の旨味を出してくれる万能調味料として一躍有名になったよね。

米麹はお店でも買えるけど無農薬米を利用したものは通常価格の2倍程の値段がするよ。米麹作りは1回コツさえ覚えれば誰でも簡単にできるよ。何よりも日本の伝統食を自宅で作れることにやりがいを感じるわ♪

今回は塩麹や味噌の原料となる「米麹」の作り方を解説するね。


この記事でわかること

1.米麹(こめこうじ)の原料

2.米麹(こめこうじ)の作り方

3.麹づくりのポイント

麹とは何か

麹(こうじ)とは、米・麦・大豆などの穀物に麹菌を繁殖させたものです。

麹菌は穀物のタンパク質→アミノ酸、デンプン→糖に分解してくれます。

この作用を利用して麹は味噌、醤油、みりん、甘酒、どぶろく、日本酒、焼酎などの原料になります。

麹菌は日本の気候風土の中で自然界に存在していますが、それを培養して安全に使用できるようにしたものが「種麹」(たねこうじ)です。

種麹を利用して米麹や麦麹を作ることができます。

今回は種麹を利用して、自分で米麹を作る方法を紹介します。

米麹からできるもの:味噌(白味噌)、塩麹

麦麹からできるもの:味噌(赤味噌)

米麹づくりの原料

米麹づくりの原料:うるち米(もち米は甘酒にする時がオススメ)、種麹(たねこうじ) + 塩麹や味噌に利用するならば塩

ここでは米麹100%の白味噌を5kg作ることを想定して、3 kgの米麹を仕込んでみましょう。

参考:白味噌5kgの原料

   大豆2kg、*米麹(塩を入れたもの)3kg

※合わせ味噌を作りたい場合は1.5kg米麹、1.5kg麦麹

原料

・うるち米3kg(出来上がりは3kgより若干増えます)

・*種麹10g(株式会社 菱六の種麹)

※種麹は使う種麹の種類によって必要な量が違います。購入した種麹の袋に書いてある既定量を使用してください。

種麹の量は多くても問題ありません。初めての方は既定量の2〜3倍の麹の量を入れると失敗しにくいことから、多めに記載しています。

3kgの麹を仕込むときの菱六の種麹の規定量は、通常4gです。

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種麹はいろいろ試したけど、実際使ってみてよかった種麹のリンクを下に貼っておくね。うちはお米を作っているから、自家製の米麹を作るよ♪


麹の作り方

1.お米を洗って水につけておく

お米を洗って一晩水につけておきます。

水の量はお米がかくれる程度であればOKです。

お米を蒸す2〜3時間ほど前にザルに上げて、水を切ります。

2.お米を蒸す

水をきったお米を、蒸し布で包みます。

蓋をして強火で30分くらい蒸します。

蒸し加減は、芯が残らないようにしますが、硬めに仕上げることがポイントです。

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柔らかく蒸しすぎると麹がベチャベチャになってしまって、失敗するから注意してね。蒸したお米を噛んでみて、芯はないけど硬い位で止めておきましょう。

3.蒸したお米に種麹(たねこうじ)を入れて混ぜる

蒸したお米を清潔な布(シーツを切ったものでもなんでも良いです。)または木の箱の上で広げます。

混ぜながらお米含まれている水分を飛ばしながら、温度を人肌程度(36℃前後)まで下げます。

触った時にほどよく暖かい程度に温度を下げる

温度が36℃前後になったら種麹(たねこうじ)をふりかけて、温度が下がらないうちによく混ぜます。

混ぜ方はお米を両手で挟み、種麹を揉み込むように手を擦り合わせて混ぜます。

その後再び布に包み、下に電気毛布または電気あんかを入れて毛布をかけ、麹の温度が36〜40℃になるように調整します。

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冬場は種麹を混ぜている間に急激に温度が下がることがあるから、室内温度に気をつけてね。

この後麹を寝かせるんだけど、麹を混ぜるタイミングを出勤前後の朝晩にするため、休日の正午くらいにこの工程をしておくことがポイントだよ

お米に湿気があるので紙袋に包み、下に電気毛布、上をすっぽりと覆うように毛布をかけて、温度を一定に保つ
タネ

ちなみに我が家は温泉が来ているので、温泉熱を利用したこたつの中で寝かせているよ。

4.麹を2〜3日寝かせる

1日目

36℃〜40℃の温度に保ち、20時間ほど寝かせます。

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温度を42℃以上にすると、雑菌が広がり失敗するから要注意だよ!正午くらいに麹を仕込んだら、夕方と寝る前に温度の確認をするよ。

それから一晩寝かせるよ。

2日目

20時間ほど経つと、麹菌が回って発酵が始まり温度が高くなるので、1度お米を広げて清潔な手でよく混ぜ合わせます。

再び36〜40℃の温度に保ち、さらに10時間ほど寝かせます。

すると麹菌が回ってお米の表面が黄色から白っぽくなり、固まってきます。

もう1度お米を広げて清潔な手でよく混ぜ合わせます。

再び36〜40℃の温度に保ち、さらに10時間ほど寝かせます。

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朝起きて1回麹を混ぜるよ。夕方帰ってきた時に麹の甘い匂いがしていたら、うまくできている証拠だよ!夕方もう1回混ぜて、もう一晩寝かせるよ。

発酵が進むと麹菌の働きで温度が上がり過ぎてしまうことがあるよ。だからほったらかしの場合は40℃を下回るくらいの温度で調整しておいた方がうまくいくよ。油断しないでもう少し!

3日目

麹のいい匂いがして、板状に固まった麹を手でほぐすと、パラパラにほぐれるようになったら出来上がりです。

麹の出来上がりの様子。麹菌が白くお米の周りをおおっているのがわかる。
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家の中の温度が低ければ、そのまま夕方まで常温で置いたままでも大丈夫だけど、心配なら冷蔵庫に入れておいてね。

麹の保存方法

出来上がった麹は、生麹(なまこうじ)と言われる状態で、冷蔵庫で2〜3週間は保存が可能です。

ここでは味噌用または塩麹用に、これ以上発酵が進まないよう塩を打ちます。

味噌用の米麹

味噌用の場合の塩の割合:20%(大豆5kg、米麹3kg←こちらに塩を入れる)

→3kg×20%=600g

出来上がった米麹3kgに600gの塩を打っておきましょう

塩麹の場合

塩麹の場合の塩の割合:13%

→3kg×13%=390g

出来上がった米麹3kgに390gの塩を打っておきましょう


米麹の出来上がり

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自宅でも米麹を作れるなんて、すごいね!

タネヨメ

田舎暮らしでなくても、今の暮らしの中で日本の伝統食を継承できると思うと、暮らしがとても豊かになる気がするよ。ぜひ皆さんも自宅で麹作りにチャレンジしてね!