「大変おさみしいことができました。
最期までお母さんもあなたたちも
よく頑張ったわね。
疲れてるでしょう。
はい、まずは朝ごはんを食べなさい!」
これまでの話は下のリンクからどうぞ。
母が亡くなり
霊柩車で家に連れて帰るなり、
家の食卓にはいろどりみどりの
たくさんのご飯がならんでいました。
これは家に残っていた
家族が作ったのではなく、
いつも仲良くしてくださっている
近所のおばちゃんたちが
かけつけてくれて
材料を持ちより
うちの台所でたくさんの料理を
しこんでくれたものでした。
私は移住組なので、
近所に親族もなく
田舎でお葬式を出すのも
正直不安だらけ。
その不安は
手作りの温かいみそ汁が
のどをとおるとともに
消えてなくなっていきました。
「皆さん、本当にありがとうございます。」
「あのね、お葬式を出した家は
お葬式に専念できるように
みんなで加勢するもんだよ。
だから気にせんでいいのよ。
はい、食べよ!これからが本番よ。」
温かいごはん。
大学病院で数日泊まり込みの間は、
病院内にあるコンビニ飯ばかり。
だから身も心も疲れ切った私たちは
おばちゃんたちの愛情あふれる料理で
生き返るような気持ちでした。
温かい味噌汁とおにぎり、
ぜんまい炊きもの、
大根の煮しめや漬物、
おからのサラダ。
なんて素晴らしい精進料理!
通夜は自宅で
葬式は斎場で行ったのですが
お葬式までの間
ご飯の準備から片付けまで
3度3度お手伝いしてくれました。
数時間前までは
悲しみのどん底にいたのに
たくさんの人が集まって
お手伝いしてくださる姿を見てると
胸が熱くなり
今ここにいることの
感謝の気持ちでいっぱいになる。
「ありがたい」は有り難い。
この世に生きていることも。
そして周りに支えられていることも。
田舎の人間関係は
わずらわしいとよく言われます。
だけどこのわずらわしさこそが
人間本来の温かさを産み出す
原点なのかもしれないですね。
大事な人を亡くしたあなたへ
こちらも合わせて読んでください。
里山の自然はきっとあなたの心を癒してくれます。