「子育ては田舎でのびのびと!」「緑に囲まれて美味しい空気と安全な食べ物を食べて、子どもたちと健康的な暮らしをしたい!」
でもネットで見る情報は、田舎は医療機関が整っていないからオススメしないとか、習い事が少なくて子どもがかわいそうとかネガティブな情報も溢れている。
田舎へ移住して子育てしたいけど、実際のところどうなんだろう?
今回は移住歴16年、人口1万人の町で3人の子育て真っ只中(子育て歴10年)の私たちが、田舎の子育て環境について、いいところも悪いところも隠すことなくお伝えするよ!
結論からいうと、田舎での子育ては、自然に囲まれた健康的な暮らしを家族ぐるみで実現できます。
子供には本物の自然体験の機会を与えることができます。
また学校が小さく、わきあいあいとした雰囲気です。
豊かな自然環境を活かした様々な自然体験活動に参加できるメリットも大きいです!
一方で、病院が遠かったり、習い事の選択肢が少ないデメリットも存在します。
そこで本記事では、田舎での子育てについてメリットとデメリット、子育てに適した田舎の選び方、さらに田舎での子育てを支援する取り組みについて解説します。
この記事を読めば、田舎で子育てするべきかどうか、自分の子育ての趣向と照らし合わせて判断できるようになります。
そして田舎の子育てに関する心配事のほとんどが、取り越し苦労であることがわかります!
1.田舎に移住して子育てするデメリットの回避方法
2.あとで後悔しないように、子育てに適した田舎暮らしの場所を選ぶチェックポイント
3.使わないと損する自治体の支援制度について
田舎に移住して子育てするメリット・デメリット
田舎での子育てメリット3選
❶自然に囲まれて健康的な暮らしと子育てを実現できる
我が家は目の前に川が流れており、遠くに草原の山が見える絶景の場所にあります。
山の中にあるので、空気は本当に澄んでるし、水も集落で湧き水を引いて飲んでいます。
温泉地にあるので、毎日夜は自宅にある温泉に入ります。
家の横に畑があるので、妻と両親が畑で食べる分の野菜を作っています。
田舎暮らしは小さな畑があれば、誰でも健康で美味しい野菜を作ることができます。
きれいな空気と水と大地で作られた野菜は、新鮮でビタミンも豊富です。
最近は子供のアレルギーが問題になっています。
花粉症も空気中の大気汚染物質が問題であることが科学的に指摘されています。
またこの汚染物質は喘息も誘発するとの研究もあるようです。
国立環境研究所ホームページ
https://www.nies.go.jp/fushigi/050504.html
他にもアトピー性皮膚炎などに悩まされている子どもさんも多いことと思います。
都市部では消毒されすぎた水(飲むだけでなくお風呂も)、食品、ライフスタイルなどで私たちを健康にしてくれる常在菌でさえも退治してしまいます。
移住してきた人たちの中には、子供のアレルギーを軽減させたかった、という方がいらっしゃいます。
そしてきれいな水、ビタミン豊富な野菜、温泉などで子供のアレルギーが改善されたという声を実際に聞きます。
田舎の子育ては家族の健康的な暮らしと子育てが実現できるのが、最大のメリットだと思います。
また健康的な暮らしだけでなく、発達についてもいい影響を及ぼすことが明らかになっています。
雑誌ネイチャーによると、田舎で育った子どもは空間認識能力が高いという研究結果が出ているようです。
https://president.jp/articles/-/56541?page=3
それだけでなく、豊かな自然の中での本物の体験は、AIの時代に物事の本質を見つめる力を育んでくれると考えています。
❷学校が小さく一人一人が伸び伸びと過ごせる
田舎の小学校は都市部に比べて少人数で、先生と生徒の距離が近いです。
学級崩壊という言葉とは程遠く、子どもたちも毎日学校に行くのを楽しみにしています。
また子供の人数が少ないので学年を超えて仲が良いです。
学習については山間部でも「ICT活用モデル校」などに指定された学校では、タブレットを活用した学習などが積極的に進められています。
学習については特に遅れているということはなく、学習要領に沿ってきちんと学校が運営されています。
❸コミュニティのつながりが強く子供の安全が確保できる
田舎では、地域住民同士のつながりが強く、近所隣の人たちが目をかけてくれます。
それもあってか犯罪などのリスクも都市部に比べて低いため、安心して子育てをすることができます。
また近所が離れていることから、騒音などもあまり気にする必要がなく、子供たちはのびのびと遊ぶことができます。
田舎での子育てデメリット3選
❶病院が少なくて遠い
田舎では大学病院などの大きな病院はありません。
ましてや小児科があるところはまれです。
でも診療所や小さなクリニックは点在しています。
普段のちょっとした怪我や病気には十分対応してもらえるので、信頼できるかかりつけ医を見つければ、大きな心配をすることはありません。
以前、夜中に急に子供が熱を出した時が一番大変だったよ。うちは山間部なので大都市の子供病院まで車で1時間30分。夜送って朝仕事ということも…
だからこそ、今は毎日の食生活・睡眠・規則正しい生活を心がけているよ♪風邪をひいたらひどくなりすぎないうちに休ませ、最寄りの診療所に連れて行くよ。日頃から規則正しい生活をして、予防に力を入れていれば大きな心配には至らないよ!
❷都市部に比べて習い事の選択肢が少ない
田舎では都市部に比べて習い事の選択肢が限られています。
ピアノ・習字・ダンス・野球・サッカー・剣道・格闘技…
子供が望む習い事の全てがあるわけではないのが事実です。
だけど習い事の種類が多いことが、子供の幸せにつながるのか考えてみてください。
うちの子は選択肢のない中でも剣道を選んでやっているよ。だけど自分で家で素振りしたりして頑張ってる。少ない選択肢の中でも自分を磨くことは十分できると思うな。
少ない選択肢の中でも、子供たちが自分で決めて努力することはみんな一緒のはずです。
子供に与えられる選択肢よりも、子供自身の成長にクローズアップすればいいのではないでしょうか。
❸公共交通機関が少ないため、移動が不便
我が家も小学校までの距離が約6km以上あります。
幸いバス停が家の前なので、町のスクールバスを利用しています。
しかし中学校になると20km離れています。
スクールバスが通っていない地区の人は、バス停まで車で子供の送り迎えをしています。
学校以外に習い事を習ったり、部活をすると送迎がとても大変です。
また子供同士で遊びたいと思っても、地区が離れている場合は送迎することになります。
公共交通機関が少なく移動が不便なのは大きなデメリットと言えます。
子育てに適した田舎暮らしの場所を選ぶチェックポイント3選
子育てに適した田舎暮らしの場所を選ぶ際には、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
❶学校への通学が可能か
小学校・中学校進学
小中学校への通学については、「徒歩で行けるか」または「スクールバスまたは路線バスが通っていてバス停が近くにあるか」が重要なポイントです。
毎日学校まで送り迎えをする必要があると、登下校の時間に合わせて送迎する必要があることから、移住後の仕事の選択肢も狭まってしまいます。
本当は徒歩圏内で行けるのがベストですが、それを重視するとよい空き家が見つかる可能性が狭まってしまいます。
そこでスクールバスまたは路線バスが通っている地域かどうかを確認しましょう。
注意点としてはバスはあまりに利用者が少ない地域だと廃止される可能性があるということです!
事前に地域全体の居住者数や子どもの数などを調べておくと良いでしょう。
高校進学
特に高校からの進学が問題です。
高校はスクールバスがないことが多いため、路線バスや鉄道で通うことになります。
そのためバス停や鉄道駅が遠い居住地の人が取っている通学形態は、以下の3つに分類されます。
田舎に住みながら高校進学する時の通学形態の例
①毎日最寄りのバス停や駅まで送り迎えをする
②下宿させる、または親類の家に預ける
③原付バイクの免許を取らせて自分で通わせる
うちの地域で一番多い形態は①だけど、みんな朝晩の送り迎えにトータルで1時間以上かかっていて、とても大変そう。
だからと言って②はお金がかかるし。
③は交通事故の可能性があるし、実際に事故も起きている。
とても悩ましいので、今から計画しておこう。
通学事情について、もっと詳しく知りたい方は過去のブログをどうぞ↓↓
❷子どもが安全に遊べる環境があるか
自然豊かな地域では、山・森・川そのものが子供たちが遊ぶフィールドになることは間違いありません。
ただし、手付かずの自然は同時に安全性が確保されていないということです。
山で迷った、川で流されたということがないように、安全性のチェックは必要です。
我が家もすり傷くらいは気にしていませんが、命が取られないように大人が事前にレクチャーすることがあります。川遊びの時にはライフジャケットを着用させています。
手付かずの自然も素晴らしいものですが、一方で徒歩圏内に小さい公園があるメリットは大きいです。
隙間時間にちょっと子どもと遊びに行ったり、子ども同士でブランコに乗ったり、ボール遊びをしたり。
公園のように子どもたち同士で安全に遊べる環境も、素晴らしいものだと思います。
よって手付かずの自然と、公園の両方があるのが子育てにベストな環境ではないかと思います。
昔はガキ大将のような子がいて、危険なところなどは教えてくれていたみたいだけど、今は子供が少なくて教えてもらえることがないよね。
だからまずは大人がレクチャーすることよね。うちは川で遊ばせる時は、ライフジャケットを着させて、大人の目の届く範囲で遊ばせるように心がけているよ!
❸周囲に危険はないか
子育てに適した田舎暮らしの場所を選ぶ際には、周囲のに危険がないかどうかも重要なポイントです。
特に車の往来は要注意チェックポイントです。
田舎だからこそ、皆車を利用しており、観光地などでは居住地の狭い道路でも車の往来が激しいことがあります。
また車道には歩道がないことが多いので、通学路の確認のほか、就学前の子供などは飛び出しに注意が必要です。
家を探す時は、県道や市町村道から一歩中に入ったところがおすすめだよ。車の往来がないと静かだし、変な人の出入りもないので安心。
子ども同士でも安心して遊びに行かせられるよ。
田舎の子育て支援策チェックポイント2選
田舎で子育てをする場合、以下の2つの支援策が役立ちます。
❶子育ての不安や財政的な支援の有無
田舎で子育てをしていると、都市部に比べて身近な相談相手が見つからないため、子育てに関する不安や疑問がつのることがあります。
そこで地方自治体では、子育て中の親子が気軽に集い、「地域子育て支援拠点」(子育て交流センター)を設置しています。
子育て交流センターでは、親御さん同士の相互交流だけでなく、スタッフの方へ子育ての不安・悩みを相談できます。
育児の困りごと「こんな時あんな時どうしよう」、と思った時は「子育て交流センター」を利用してみましょう!
田舎では近所に同級生がいないから、特に就学前の知り合いが少ない時は、ちょっとした悩みの相談や育児の息抜きに子育て交流センターを利用していたよ!
その他、自治体によっては出産祝い金や子育て支援金、子育て関連用品購入助成金の給付制度があります。
これらを利用することで、子育て費用の負担を軽減することができます。
僕が住んでいる町は、中学生まで医療費が無料。第3子以降の児童へは町独自の子宝手当が高校生まで支給されるよ。本当に助かる!
とある地方自治体で第3子以降に支給される子宝手当例
- 就学前 3,000円
- 小学生 4,000円
- 中学生 5,000円
- 高校生 10,000円
→トータルで成人するまでに1,044,000円支給
*自治体によって支給制度が違うので、事前に調べてみよう
❷学校の外での社会教育活動の有無
田舎で子育てをする場合には、都市部に比べて習い事の選択肢が少ないというデメリットがありました。
しかし、公民館や地域コミュニティが主催する社会教育活動に参加することで、子供たちはさまざまな体験活動を通して、世界観を広げたり感性を育むことができます。
私たちの居住エリアは自然豊かな国立公園エリアなので、さまざまな団体が主催する自然体験活動が盛んです。
*自然体験活動例
自然学校と自治体が主催する「ふるさと体験クラブ」
ビジターセンターが主催する「子どもラムサールクラブ」
公民館が主催する「お宝探検隊」
それぞれの団体が年間6回程度主催活動をおこなっているため、毎月何かの活動が行われていることになります。
*名称は内容がわかるように仮称で紹介しています。
「子どもには自然にいっぱい触れさせて、感性豊かな子どもに育てたい」
という方は、移住希望の自治体に問い合わせて、民間活動も含めてどんな自然体験活動が開催されているかをリサーチしてみましょう。
まとめ
田舎での子育てにはメリットもあればデメリットもあります。
メリットは①家族の健康的な暮らしと子育てが実現でき、子供に本物の自然体験をさせることができること、②学校が小さく一人一人が伸び伸びと過ごせること、③コミュニティのつながりが強く子供の安全が確保できることでした。
一方でデメリットは①病院が少なくて遠いこと、②都市部に比べて習い事の選択肢が少ないこと、③公共交通機関が少ないため、移動が不便なことでした。
①②は選択肢が少ないことが問題ではなく、日常の病気予防と子ども自身の成長にクローズアップすれば、大きな問題にならないことを解説しました。
子育てに適した田舎暮らしの場所を選ぶチェックポイントは、①学校への通学が可能か、②子どもにとって遊びやすい環境があるか、③周囲の環境に危険はないかでした。
これらを考慮することで、後々後悔しない子育ての場所を見つけることができます。
最後に田舎での子育て支援策のチェックポイントは、①子育ての不安や財政的な支援の有無、②学校の外での社会教育活動の有無でした。
特に②の社会教育活動は、都会にはない豊かな自然を活かした自然体験活動が行われていることがあります。事前に移住希望の市町村担当者に聞いてリサーチしておきましょう。
私は病院が一番心配だったんだけど、日頃から子供達には規則正しい生活をさせて、予防に気をつけているよ。大変なこともあるけど、事前に対策することでリスクを回避できるよ。
田舎で子育てする一番のメリットは、「健康」と「自然」だね!健康であれば病院に行く頻度も下がるはず。この記事を読んで、田舎で子育てしたいと考えている人たちの背中をそっと押せたら嬉しいな!
自然に囲まれて健康的な暮らしを手に入れることができることです。手軽に畑も始められるので、安全な食べ物を作ることができます。またきれいな水・空気・温泉にふれることで、実際に子どものアレルギー症状が改善したという声もあります。さらに豊かな自然の中で本物の自然体験をすることにより、豊かな感性を育むことができます。
都市部と比べて圧倒的に病院が少なく遠いことです。緊急時や難病の場合は、都市部の病院にかかる必要があります。日常的な病気は、診療所などのかかりつけ医で十分対応できます。また日常生活で予防医療に重点をおいていれば、普段の生活で困ることはほとんどありません。
一番は学校へ通学できるかどうかです。今はスクールバスの運行があっても、今後過疎化とともに廃止される路線も出てくるかもしれません。また小中学校はなんとかなったとしても、高校進学からは通学時間的にも費用的にも問題になります。子どもが小さいうちから、計画しておくことが必要です。