田舎の子育てで一番心配なのが、子どもの通学事情です。
全国で公立小中学校へ通うのにスクールバスを導入してる都道府県が*62.7%、新潟県、山形県、青森県、富山県、北海道、岩手県、島根県では、スクールバスを導入している市町村が9割も存在します。
(*文部科学省 平成20年国内におけるスクールバス活用状況報告書 このデータは平成20年のものなので、学校統廃合が進んだ現在においてはさらに高い確率でスクールバスが運行されていることが推測されます。)
子どもが小学生だけど、移住先は学校までは歩いて行けなさそうな距離だわ。学校への通学はどうやっているのかしら。バスがあるとはいうけど、毎日のことだから心配だわ。
子育て中の家庭にとっては大きな問題となる、田舎の通学事情について、小学校まで約6㎞、中学校までは約20㎞離れている僕たちの地域の実情を例にしながら解説するよ!
1.子どもの進学状況によって大きく通学距離が変わる
2.学校遠い問題をどう乗り越えるか
3.移住先をこれから考える人に注意してもらいたいこと
1.子どもの進学状況による通学距離
①小学校
まず義務教育となる小学校ですが、現在過疎地を中心に各地で統廃合が進んでいます。
小学校は町の中心部の小学校に統合されることが多いため、統合されればそれだけ通学距離が長くなります。
文部科学省によると、統合後の通学距離10㎞以上の割合は38%にも上り、20㎞以上も8%あります。
うちの地域でも、小中学校の統廃合の問題が出ていたよ。小学校だけは地区の中心地であり、小学校がなくなると一気に過疎化が進むので、各地区になるべく残す方向で町も検討したみたい。それでも子供たちは6㎞離れた小学校にスクールバスで通っているよ。
統合問題と引き換えに、市町村や地元バス会社等によりスクールバスの運行などが検討されることがあります。
ただしスクールバスもすべての家庭をまわるわけではなく、既存のバス路線を中心に検討されることがあります。
よってスクールバスのバス停まで距離がある場所に家があると、バス停まで車で送迎することが必要なことがあります。
うちは幸いバス停の目の前の家なので、今はすごく便利がいいわよ。
スクールバスは朝1便、夕方1便だけで最初は心配だったけど、子どもたちには忘れ物をしないよう夜寝る前にチェックさせたり、朝規則正しく起きるよう指導してるから、別に問題を感じることはないわ。
帰りのバスは乗り遅れないよう学校の先生が指導してくれているよ。
ただし学校に行ってから具合が悪くなった場合は、迎えに行かなくてはならないわね。
でもそれは都会の学校でも一緒よね。
②中学校
同じく義務教育となる中学校ですが、小学校以上に統廃合が進んでいます。
文部科学省によると、統合後の通学距離が10㎞以上の割合は60%にも上り、20㎞以上の割合も14%にも上ります。
小学校と同じくスクールバスが運行されている地域がほとんどですが、通学距離が伸びると同時に必然的に通学時間も長くなっています。
中学校は統廃合で町役場のところに移転してしまったから、片道20㎞ほど。地区の中学生は朝7時ころのスクールバスで通っているみたい。これから大変そう…
③高校
高校はどこの高校に行くか選択することができますが、田舎ではそもそも同じ市町村内に高校がないところもあります。
また公共交通機関が発達していない地域では高校から下宿したり、登下校の送り迎えをしたりすることがあります。
うちの町には高校がないのよ。だからみんな近隣の市町村にある高校に通っているみたい。
通学時間は1時間~2時間かな。うちの地区は駅から車で30分。
ここから通学している人は朝のバスを利用しても間に合わないので、朝夕駅まで送り迎えをするか、免許とらせて原付チャリで通学しているみたい。
また部活動をする子などは下宿していることが多いよ。
どうせ近隣の高校に行くだけでも下宿しなければならないなら、ということで大都市の高校に通って下宿させたり、親類の家に預けている人もいるよ。田舎の通学事情は特に高校からが問題ね。
④大学
当然田舎では自宅から通学しようと思うと選択肢が限られます。
都市圏の学生と同様、自分が学びたい専攻のある大学を選ぶため、下宿・賃貸アパート・親類の家に預けたりと、通学の形態も様々です。
家から通学することが難しくなるのは、大都市圏に居住している人を除けば一緒です。
移住先を考えるときに子どもの通学検討ポイント3選
①公共交通機関の利便性
移住先に小中学校や高校があるかだけではなく、そこへ至る公共交通機関の利便性について検討してみましょう。
特にバス通学の場合で小中学生の場合はバス停まで徒歩か送り迎えをする必要が出てきます。
また今バスや電車が通っているからと言って、人口減少の中、子どもたちが実際に通学する段階で必ずしもそれが通っているとは限りません。
地域の将来性も含めて、検討することをおススメします。
うちの地区は駅から離れているけど、一大観光地であることからバスが完全に廃止される可能性はほかの山間部に比べて少ないかなぁ。
田舎で街灯もほとんどないから、子どもたちにとってバス停が近いのは本当にありがたいよ。
②通学路の安全性
徒歩や自転車で学校やバス停まで行く場合は、通学路の安全性について検討しましょう。
特に田舎では車道に歩行者用の白線がないことがあります。
また車社会であり高齢者の運転による事故も多発しています。
さらに街灯などがなく、帰宅時間が遅くなる場合は真っ暗な道を歩いて帰ることになります。
毎日通学することを考えて、子どもの通学路の安全性について、検討してみましょう。
③高校進学を視野に入れておく
特に田舎では高校進学から、自宅からの通学が困難になることが多いです。
公共交通機関が発達しておらず、送迎も時間がかかりすぎる場合は、実家や親類に頼るのも一つの手です。
頼れるところがない人は自宅から通学ができる場所を選ぶなど、高校からの進学を視野に入れて移住先を検討しましょう。
通学ができる移住先としては、バス停の近くや駅の近くなどがおススメです。
通学ができずに下宿などをさせるつもりである場合は、下宿賃をしっかりと貯めておきましょう。
うちはまだこれからだけど、私の実家が大都市圏内にあって電車がたくさん通っているから、高校からは実家の親に預けることも考えてみようかな。
まとめ
小中学校の子どもたちにとって、学校が遠いことは親からすれば時間的・経済的デメリットは確かにあります。
しかし田舎でしかできない体験やふれあいの機会があるのは、メリットでもあります。
今は光回線さえ来ていさえいれば、いつでもネットを介して学ぶこともできます。
小中学校の時には進学に困ることはそこまで多くありませんが、高校からの進学は通学のハードルが上がるので、移住前の人は高校進学を考えて移住先を検討することが大切です。
はたから見て通学が困難であっても、慣れてみればこんなものか、という感じだわ。いずれにしても、子どもの進学のときにどうなってもいいように、資金を貯めるなど準備をしておくことは大切ね。
子どもたちにとって大切なのは、やりたいことを実現できる人間になることであって、すべての機会に恵まれることではないと思うな。それぞれの家庭で考え方は違うと思うけど、今回のこの記事が少しでも役に立てばうれしいです!