日本は台湾が大好きで、台湾も日本が大好き!現在さまざまな日本の市町村が台湾の市町村と交流協定を結んでいます。その中には相互に政治的・経済的な思惑が感じられることも。でも大分県九重町(ここのえまち)が友好関係にある台湾の花蓮県豊浜郷(かれんけんほうひんきょう)との関係は、ちょっとちがいます。それは恋人以上血族未満の愛情あふれる「家族」関係。豊浜郷はアミ族が大部分を占め、先住民族の文化が色濃くのこされている町です。台湾の先住民族の町と日本の山間部の小さな町の「家族交流」の物語をちょっとだけご紹介します。
台湾の花蓮県豊浜郷はこんなとこ!
台湾の花蓮県豊浜郷は台湾の東海岸に位置しています。

アクセスは台北駅から鉄道で約2時間で花蓮駅、そこからバスを乗り継いでトータル3時間30分。
(土日は花蓮行きの列車がいっぱいになるので、早めの予約をおすすめします)
決して交通アクセスが良い場所にあるとは言えません。
だからこそ手つかずの自然、壮大な海岸線がのこされています。
下の写真は豊浜郷の南にある「石梯坪」です。
波によって侵食された岩がまるで階段のように段々になっています。
台湾ホエールウォッチング発祥の地であり、クジラに出会える確率が台湾一とも言われています。

そしてなんといっても豊浜郷は東側に太平洋が広がることから、台湾でも朝日が1番美しい場所として有名だそうです!
波がオレンジ色の朝焼けに照らされていく光景は、人生で一見の価値ありです!!

アミ族のムラ、猫公(マオゴン)集落を訪ねる
豊浜郷はアミ族をはじめとする先住民族の伝統が色濃く残る地域です。
猫公(マオゴン)集落というアミ族の伝統的な文化が残るエリアを現地の部族長の方に案内してもらいました。

8月には「イリシン」というお祭りがあり、1年の収穫を祝い、次の年の豊作を願うそうです。
若者たちは「チランナ山」という、アミ族が祭るとても険しい聖なる山を登り、勇敢さを競うそうです。
戻ってきてからは輪になってお酒を飲み合います。
このお酒を実際にふるまって頂きましたが、フルーティーで日本のどぶろくのような香りでした。
後で調べると、アワを発酵させてできたものだそうです。
お祭りの後は、「バカラン」と言って川に入って身体を清めるそうです。
この一連の流れは日本の山岳宗教である修験道との共通点も多く、改めて同じ太平洋の島なんだと感じました。
日本と台湾は離れているのに、不思議と共通の祖先のルーツを感じました。
海はボクたちの冷蔵庫!
豊浜郷は太平洋に面しており、豊かな漁場が広がっています。
ふるまわれた料理にはこんな見たこともない深海魚が!(とてもおいしかったです)

台湾の東側の太平洋の海の底は崖のようになっていて、海岸線近くでも水深1,000mに達する場所があり、深海が存在するそうです。(みんな海は危険だから泳がないとか)
海の幸はどれも本当に新鮮で、刺身もよく出てきます。
豊浜郷の人たちが口をそろえて「海洋是我們的冰箱!(海はボクたちの冷蔵庫なんだ!)」自慢げに言っていたことが印象に残っています。
海の幸だけでなく、伝統野菜である丸い玉のようなゴーヤなど、その地域でしか採れない山の幸もふんだんにあります。
食べ物はどれをとってもとてもおいしく、また新鮮でお腹を壊すこともありませんでした(大事なポイント!)。
暑い南国ですが、その地域でしか食べられない新鮮な海と山の幸を自然のままに味わうことができる、素晴らしいところです!
地域の伝統文化を伝承するために、アミ族の実験学校を設立!
豊浜郷では豊かなアミ族の伝統文化を継承していくために、花蓮県豊浜国民小学校で従来の教育制度に基づく初めての実験学校を開設しました。
これは台湾の教育制度の中で、地域の人たちを講師に独自の文化や歴史を学ぶ郷土学習を進めるものです。
アミ族独自の酒造りなども地元のお母さんたちに講師になってもらって学ぶそうです。
当日は歌とダンスを披露してくれました。
豊浜郷と友好関係にある大分県九重町でも、「ここのえ学園構想」と言って地域学習を各エリアごとに行う事業を推進しています。
ラムサール条約登録湿地「タデ原湿原」がある飯田高原では、小学校の総合学習でタデ原の生き物や観光について学び、小学校6年生でキッズガイドとして実際に観光客を案内する事業を行っています。
国はちがえども、過疎化がすすむ地方における課題や問題意識が同じだからこそ、取り組みに共通性があるのかもしれませんね。
子供たちに地域を誇りを感じてもらい、そして大きくなったらまたこの町に帰ってきてほしい。
そんな愛情や希望があふれる教育活動を垣間見ました。
アミ族の町と家族になろうよ
私たち大分県九重町は、このように素晴らしい取り組みを行っている台湾花蓮県豊浜郷と交流をしています。

豊浜郷の郷長さんが私たちにこう言ってくださいました。
「今日からあなたたちは友達ではなく家族だ。家族としてお互いに助け合っていきましょう」
その言葉には自然の恵みをみんなにわけあう、やさしさにあふれてました。
日本も台湾も、地方の課題は同じ。
人口減少と産業の衰退、そしてそれに伴う地域文化の喪失が進行しています。
私は4月から九重町がたちあげた(一社)ここのえ町づくり公社という会社で働いており、
観光を入り口に地域を持続可能にするミッションに立ち向かっています。
台湾花蓮県豊浜郷の家族の町として、お互いのためにできることはなんだろうか?
今月末にはまた豊浜郷の担当者と互いの課題をZOOMで話し合う予定です。
それぞれ日本と台湾で観光宣伝のSNSアカウントを立ち上げ・運用の交換をしたり、互いの国の目線で現地の観光コンテンツを磨き上げるファムツアーを企画するなど、アイデアはたくさん出てきます。
こんな大分県九重町でいっしょに活動しませんか?
台湾花蓮県豊浜郷×大分県九重町で「家族になろうよ!」
大分県九重町への移住・定住ツアーのお知らせ
9月と11月に大分県九重町での移住・定住ツアーを開催します。
このツアーは九重町への移住・定住を考えている人向けに、九重町の素晴らしいところや実際の暮らし方について体験していただくツアーです。
今も地元の人が住んでいる築250年の江戸時代の伝統家屋での農家の暮らし体験や、地熱発電所の見学など、内容盛りだくさんです!
また当地域は年間20万人が訪れる阿蘇くじゅう国立公園エリアにあり、農業×観光がとても盛んな地域であることから、グリーンツーリズム・農家民宿でのZOOM起業セミナーも同時に開催します。
移住定住に興味がある人は、下の記事も見てね。

いずれも参加費は無料です!
ツアーは1回あたり限定15名の先着順になりますので早めのお申し込みを!(家族でのお申し込みも可能です)
興味がある方はぜひご参加ください!↓